ビットコインとは何か? 第1回:ビットコインの特徴

ビットコインは「分散型仮想通貨」と呼ばれますが、一体ビットコインとは何なのでしょうか?技術的な仕組みを見る前に、まずは通貨として、決済手段としてのビットコインの特徴をそれぞれ見ていきましょう。

ビットコインの通貨としての特徴

通貨としての特徴

ビットコインは通貨ではない、と主張する人もいますが、「仮想通貨」と呼ばれている通り通貨としての機能の一部を備えていることは事実です。また、通貨ではなく金などのコモディティ(商品)に近いとする見方も多いので、ここでは金についても比較を行っています。

ビットコインの最大の特徴は世界初の発行主体がいない分散型通貨である、ということです。詳細については、技術的な仕組みを参照する必要がありますが、分散(P2P)型であるということは、基本的に外部から管理・影響されにくい通貨であるということです。特に、国の体制が不安定であったり法定通貨に対する信用が低いような国では、その国の通貨がいつ紙くずになってしまうかわからない、というリスクが存在しています。また、法定通貨というのは現金だけではなく、銀行預金や企業が発行するポイントというかたちで存在していることもあります。この場合には、銀行や企業が破綻するだけで、管理する資産が一部あるいはすべてが失われるというリスクがあります。しかし、ビットコインの場合は、個人で保管している限りこのようなリスクが一切存在せず、なおかつそのまま世界中に送金することが可能となっています。

しかし、発行主体がいないということは、その価値を担保する組織が存在しないということでもあります。これはつまり、もし手持ちのビットコインを何らかの原因で失なったときに保障される可能性が非常に低く、基本的に完全に自己責任になるということを意味しています。そのため、円に対する信頼度が高い日本においては「分散型」という点においてはあまりメリットはないと言えるかもしれません。

発行量

ビットコインの発行量

法定通貨は中央銀行や政府が自由に発行量を調節できますが、ソフトウェアでもあるビットコインの場合は、既にプログラム内のコードによって発行上限が2,100万BTCであると決められています(BTCはビットコインの通貨単位)。上グラフのとおり、発行スピードも決められています。最初は約10分ごとに50BTCが発行され、さらに約4年ごとにその発行量が半減され(半減される日付を半減期と呼ぶ)、最終的に2140年には2,100万BTCになりビットコインの発行が終了することになっています(ただし、厳密にはビットコインの利用者のネットワークへの参加状況などにより発行スピードが決定されるため、実際にはこれよりもやや早いペースで発行が進んでいます。)。

上限があるというのは、金でも同様であり、ビットコインは金とよく似ていると言われるゆえんの一つでもあります。

価格変動

法定通貨は、為替変動リスクはあるものの、日本で生活している限り極端な物価変動はほとんどなく、日本円の価格変動は小さいといえます。

対してビットコインは非常に価格が変動しやすいというリスクが存在しています。そしてこれがビットコインが通貨ではないと言われる最大の理由の一つです。一般的に、通貨(貨幣)の要件には(1)交換手段(2)価値尺度(商品そのものの価格をその通貨で表せる)(3)価値貯蔵の三要素がありますが、ビットコインの価値は大きく変動するため、貨幣としての3番目の機能が十分でないと言われることがあります。

携帯性

これは主に金と比較したものです。金そのものを商品の交換の媒体とすることは、物理的に交換するしかなく非常に不便であり現実的でありません。しかし、ビットコインの場合は電子データであるため、一瞬で世界中に送付することが可能となっています。利便性という意味では、現代において通貨としてビットコインと金そのものを比較した場合、ビットコインのほうが通貨としての優れた機能(交換手段)を持っていると言えるかもしれません。

偽造

通貨としての重要な要素の一つでありビットコインの最大の特徴でもあります。これまで、2009年のビットコインの登場以前に分散型通貨が存在しなかったのは、偽造という問題を解決できなかったためでした。ビットコインでは暗号技術を使うことにより偽造を困難にしており、実際に現在でも偽造が行われたという例は報告されていません(ただし、これはビットコインのセキュリティが未だに破られていないためであり、今後も未来永劫破られない保証はどこにもない、という指摘もあります。)。

それに対して、法定通貨の偽造事件というのは非常に長い歴史がありますし、金についてもメッキなどによる偽造が日常的に行われていると考えられています。

ビットコインの決済手段としての特徴

決済手段としての特徴

ビットコインを使用する多くの人々が主張するのが通貨としてよりも、むしろ決済手段としての有用さです。ここでは、代表的な決済手段である現金・銀行振込・クレジットカードをビットコインと比較しています。一見すると現金が最も優れていると言えますが、物理的な手段で渡すしかなく非常に不便であるため、利用は限定的です。

手数料

国内送金の場合、最も高い決済手段でも銀行振込の数百円程度であり、あまり気にならないかもしれません。消費者として見た場合、クレジットカードは無料であり、あまり大きな差とはいえませんが、ビットコインのほうがやや高コストとなります。事業者としてみた場合、クレジットカードは数%の手数料がかかるため、ビットコインのほうが有利であると言えます。

一方海外送金の場合、銀行振込は数千円かかるため非常に高コストです。また、クレジットカードでも為替手数料に約1.6%程度とられるため、ビットコインは海外送金や海外旅行の買い物の際には非常に有用だということが分かります。

送金時間

基本的にどの決済方法でも即時に決済が行われるため差はありませんが、銀行振込の場合は、平日の営業時間内でしか振込が行われないため、不便です。また、事業者側から見るとクレジットカードは実際の入金が後日になるのに対して、ビットコインでは入金が素早く行われます。

ただし、ビットコインの決済には約10分かかるといわれることがあります。これはビットコインの仕組み上、最低約10分以上経たないと、主に支払者側が支払ったことを偽造するリスクが存在するためです。このため、事業者側が未払いリスクを避けるため、高額の商品販売や一部の通信販売やネット上のサービスで、約10分~1時間程度決済完了にかかることもありますが、通常の店頭の商品購入などでは即時決済できるところがほとんどです(現実的に支払い偽造のリスクは、ネットワークの状態を観測して数十秒待つだけでも大幅に下がり、また、少額の決済の場合は偽造コストが支払額に見合わないと考えられるため、即時決済を導入する店が多くなっています。また、ビットコイン決済の導入には第三者的な決済サービスを利用する場合が多く、そのような決済サービスの一環としてほとんどの場合即時決済が提供されています。)。

個人間送金

クレジットカードは優れた決済手段であり、そのためビットコインが不要と考える人も多いですが、カードの場合個人間送金はできません。ビットコインはクレジットカード並の利便性を備えていながら、個人間送金が可能というのが非常に大きな強みです。

ビットコインは簡単に個人に送金できるため、現在ではインターネット上の寄付手段としても広く用いられるようになりました。

匿名性

銀行やクレジットカードを利用するには、本名や住所などの個人情報を登録することが必要ですが、ビットコインの場合は個人情報を一切登録することなく、自分の口座を持つことが可能です。このため、ビットコインには匿名性があると言われることがあります。

ただし、実際にはビットコインの送金・取引情報というのは全世界に公開されているため、本名・住所等はわからないものの「ビットコイン口座Aからビットコイン口座Bに10BTC送金した」という情報は、全世界の誰でも入手することが可能です。銀行やクレジットカードは一部の人にしか取引情報が公開されていないという点で、ビットコインはより透明であり、匿名性がないと言うこともできます。

さらに言えば、すべてのビットコインと日本円の交換所では、一定の金額の取引以上で本人確認を行っており、その交換所を通じてビットコインの口座と個人情報を結び付けることができます。ビットコインは匿名性が高いため犯罪に使われるリスクが高いとの指摘もありますが、交換所での本人確認が徹底されれば、現金などよりよっぽど匿名性が低く、犯罪には使われにくいということが言えるでしょう。

プライバシーが気になるという人は、ビットコインの口座(アドレスと呼ぶ)はいくらでも無数に自由に作成できるため、多くのアドレスを使い分けることで、プライバシーを保護することが可能です(警察等ではなく個人レベルで、多数のアドレスを使う個人を調査・特定することが非常に困難となります。)。

最終更新日: 2016年12月15日

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