NEM / ネム

NEMは平等な分散型プラットフォームとして新たなデジタル通貨による経済圏を作り出すことを目標としています。PoIという独自のシステムやネットワークのセキュリティ保護に力を入れているのが特徴といえます。

日本の仮想通貨取引所Zaifの元運営会社テックビューロが開発するプライベートブロックチェーンmijinがNEMの技術をもとにしていたことなどから、日本でも注目度が高くなった仮想通貨の一つです。

2021年3月にはNEMプロジェクトの一環としてSymbolという新たなブロックチェーンも立ち上げられ、NEMと並行運用されています。

仕様・仕組み

名称 NEM
公開日 2015-03-31
システム Proof of Importance
コイン発行上限 8,999,999,999XEM
ブロック生成間隔 約1分

NEMは、Nxtを改良するプロジェクトとして2014年1月から始まり、2015年3月31日に公開されました。Nxtと同じくJavaにより設計されているため、Nxtのソースコードをフォークしたものであると勘違いされることもありますが、実際には一からソースコードが書かれています。

NEMの大きな特徴はProof of Importanceという独自のコンセンサスアルゴリズムを持つことと、セキュリティ重視のネットワークシステムを構築していることの二つと言えます。

PoI(Proof of Importance)は、ネットワークに対してより大きな「重要度」を持つユーザーがブロックを生成し、報酬として基軸通貨であるコイン(XEM)を得る(ビットコインにおけるマイニング・採掘、NEMではハーべスティング(harvesting, 収穫)という)確率が高くなるとされています。XEM総量は開始時から変わらないため、この報酬はネットワークの取引手数料となります。

PoIにおける重要度は、複雑な計算によって決められていますが、大まかに言えばアカウント内の残高と取引数の多さの2つによって決められています。残高については、入金後一定期間経過しないと重要度の計算に用いられない(約24時間で残高の10%)ため、ひたすらアカウント間で送金を往復して重要度を稼ぐような手法が難しくなっています。また、資金を保持しているだけでは重要度が上がらないため、アカウント内の残高の多さのみから採掘の確率が決定されるPoS(Proof of stake)に比べ、資金力を持つユーザーの優位性が低下されるとしています。

もう一つの特徴はセキュリティ重視のシステムです。P2Pネットワークを運用する各ノードにEigenTrust++という評価システムを導入しノードの質を評価することにより、悪意をもったノードがネットワークに参加しにくくなっている点のほか、アドレス情報等を保管するクライアント(ウォレット機能を含む, NCCと呼ばれる)をNEMネットワークに接続するサーバー(ノード, NISと呼ばれる)と分離することにより、ウォレットの安全性を高めている点、プロトコルレベルでマルチシグの技術を実装している点などがあげられます。

標準ウォレットに実装済みの主な機能

独自トークン発行(Namespace/Mosaic)

NEMにおける独自トークンはMosaicと呼ばれています。Mosaicを発行するにはNamespaceというものを取得(レンタル)する必要があります。

Namespaceはインターネット上のドメインに例えられるもので、NEMネットワーク内ですでに取得されているNamespaceを他人が使うことはできません。Namespaceはサブドメインのように複数の階層にすることもできます。

MosaicはNamespace内のファイルに例えられ、[Namespace]:[Mosaic]のようなかたちで表します。例えば、japanというNamespaceのもとでgoldというMosaicを発行したとき、japan:goldと表されます。NEMの基軸通貨であるXEMもMosaicの一つであり、nem:xemとして表現されます。

Mosaicの設定では、そのMosaicの送信ごとにNEMネットワーク内の任意の(XEMを含む)Mosaicを「徴税」し、その「税金」をMosaicの発行者に送信する機能(levy)をつけたり、Mosaicの発行者とユーザーの間のみ送信を可能としユーザー同士の送信の制限(transferability)をかけたりすることも可能となっています。

メッセージ送信

ブロックチェーンを利用して短いメッセージ(最大160文字)を送信することができます。誰でも見れる平文のメッセージと受信者にしか見えない暗号化されたメッセージの両方を送信することができます。XEM等の通貨の送信にメッセージを添付することも可能です。

関連リンク

最終更新日: 2023年02月19日

コメント欄

コメントシステムを試験的に変更し、メールアドレスの入力やSNSからのログインを廃止しました。投稿後5分以内であれば編集や削除が可能です。その後に削除したいコメントがあれば依頼していただければこちらで削除いたします。

質問については出来る限りお答えしていますが、個人が運営している関係上対応の遅れや見逃し等限界もあるのでご了承ください。