Bitsharesは、Invictus Innovations社によって開発されたビットコイン2.0プロジェクトです。2015年には、Bitshares2.0へのバージョンアップに合わせて、Cryptonomex社が引き継いで開発を行うこととなりました。主にビジネスのための分散型金融プラットフォームとしての発展に主眼を置いており、メインのBitsharesブロックチェーンを中心に、将来的には様々なDAC(分散型自動化企業)の整備・構築も目標としています。
なお、Cryptonomex社が中心となって開発を行っていますが、あくまでもBitsharesはDAC(分散型自動化企業)であるため、ブロックチェーンへ変更を加えるには、Bitsharesの株主(shareholder)、つまりBitsharesの基軸通貨であるBTSの保有者の承認が必要となります。
名称 | BitShares |
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公開日 | 2014-07-19 |
システム | Delegated Proof of Stake |
コイン発行上限 | 約3,700,000,000BTS |
ブロック生成間隔 | 約3秒 |
Bitsharesの基軸通貨はBTSと呼ばれます。このBTSの発行上限は約37億BTSであり、スタート時にはそのうち約25億が配布されました。残りの約12億は、取引の承認者に支払われる報酬金などの用途のため、準備金プール(Reserve Pool)と呼ばれる、誰もコントロールできない資産としてブロックチェーン上に保管されています。Bitsharesにおける取引手数料の20%はこの準備金プールへと送られます。
Bitsharesにおける取引承認のシステムは、DPOS(Delegated Proof of Stake、代表者によるProof of Stake)と呼ばれています。DPOSにおける取引の承認者はwitness(立会人)と呼ばれています。witnessには誰でも立候補することができ、BTS保有者の投票により選ばれ、また、投票によりwitnessの座から下ろすことも可能です。この投票権は、全BTS保有者に保有量に応じて割り当てられており、他人に投票権を渡すこともできます。
選ばれたwitnessは、一定時間ごとにシャッフルされて承認の順番が割り当てられ、順に取引・ブロックを承認していきます。承認をしなかったwitnessは順番が飛ばされ次のwitnessが承認を行います。承認を行うごとに、witnessはBTS保有者の投票により定められた一定の報酬(現在は1ブロック1.5BTS)がもらえます。この報酬は先の準備金プールから支払われます。
かつては、101人がwitnessに選出されていましたが、さらに少ない人数でもセキュリティ的には十分であることや、多すぎるとwitnessに支払う総報酬が多くなりコストがかさむ問題や投票者がwitness一人一人を評価することが困難になる問題などがあるため、現在では20人前後となっています。
Bitsharesネットワークにはwitnessの他にも、committee(委員)とworker(労働者)と呼ばれる役割があります。
committeeは、Bitsharesのブロックチェーンの仕様等の変更を提案する人です。この仕様には、ブロック生成間隔、取引手数料、witnessへの報酬金額等が含まれます。提案はBTS保有者の投票により可決された場合のみ実行されることとなります。なお、ブロックチェーンのさらに根幹に関わる仕様変更等の提案(ハードフォーク等)はwitnessによって行われ、同様に投票プロセスを経て実行されます。
workerは、Bitsharesの機能拡張、ブロックエクスプローラーなどの外部ツールの開発、その他Bitshares関連ドキュメントの執筆等Bitsharesの発展に寄与するような提案を行い実行する人です。workerの提案では、仕事の開始日から終了日、仕事に対する報酬、仕事内容等を自分で定めて提案することとなります。提案がBTS保有者の投票により可決されると、準備金プールからworkerに対してBTSとして給料が支払われることとなります。
なお、Bitsharesにおけるアドレス(口座番号)はビットコインなどの仮想通貨で一般的な不規則な英数字の羅列ではなく、自分で任意の名前を決めるアカウント的なものになっています(正確に言えばアドレスは存在しますが、アカウントを指定すれば自動的にアカウントに属するアドレス宛に送金するようになっています。)。また、アカウントの作成には手数料が必要となります。ウォレットのホスティングサービスを通じてアカウントを作成する場合は、そのサービス側が登録料を立て替えてくれるため、実質無料でアカウントを登録できますが、ビットコインなどよりも多くのアドレスを作成しづらく、また個人を判別しやすいため、匿名性は低いと言えます。
SmartCoinとは、Bitsharesネットワーク内の価格固定型の通貨・金融商品であり、カウンターパーティリスク(取引業者の破綻リスク)のない分散型CFD(差金決済取引)とも言えます。SmartCoinには、常に1ドルの価値を保つbitUSD、常に1円の価値を保つbitJPY、常に1BTCの価値を保つbitBTC、常に1トロイオンスのゴールドの価値を保つbitGOLDなどがあります。
ユーザーは、分散型取引所を通じて例えば1ドル分のBTSを担保として1bitUSDと交換することができます。また、BTSを担保としてブロックチェーンに預けることにより、分散型取引所でSmartCoinの空売りを行うこともできます。
SmartCoinは、トレード用の金融商品として利用されるほか、他ユーザーと交換可能で価値が一定であるため、通常のドルや円と同様に商品・サービス購入時の決済にも利用しやすいことが大きな利点です。
なお、SmartCoinの価値を固定する元となるドル・円・ゴールド等の価格は、witnessが外部から取得・配信することになっています。
Bitsharesでは一定量のBTSを一回支払うことにより終身の「会員」(lifetime membership)となることができます。会員は取引手数料の80%を自分自身に還元、つまり、会員でないユーザーより80%少ない手数料で取引を行うことができます(残りの20%は準備金プールへ送金)。
また、Bitsharesネットワークへの参加者を増やすため、アフィリエイトシステムが導入されています。会員となったユーザーは、コード付きのリンクを通じてユーザーを紹介することにより、紹介されたユーザーが支払う手数料の一部を受け取ることができます。
特に紹介を受けていない非会員は、手数料の80%全てをウォレットのホスティングサービス(Openledgerなど)へ支払うこととなります。
※当ページからのリンクはアフィリエイトコードが付与されています。気になる方はクッキーを削除するか、検索エンジン等からウォレットを探してください。
誰でも独自の通貨を発行できる機能です。Bitsharesでは、独自通貨の使用者をホワイトリストやブラックリストによって制限しKYCを導入したり、取引手数料を追加で徴収して発行者の利益とすることができます。
また、独自通貨の発行者が手数料プール(Fee Pool)と呼ばれる場所に一定量のBTSを溜めておけば、利用者は手数料プールを通じて自動的に両替することにより、独自通貨の送金の手数料をBTSではなくその独自通貨建てで送信することができるようになります。
BTS、SmartCoin、独自通貨含めてすべての通貨ペアによる分散型取引が可能です。SmartCoinについては、証拠金(BTS)を預けることにより信用売り(空売り)をすることも可能です。
予測市場用の独自通貨と分散型取引所を応用することにより賭けを行うことが可能です。
参加者は、予測が正しい方に賭けたい場合、分散型取引所上で買い注文を出し、予測が間違っている方に賭けたい場合、取引所上で専用の独自通貨を借りて売り注文を出します。
予測市場の開催者(独自通貨の発行者)は結果を配信し、その結果に応じて報酬が参加者に分配されることとなります。
Bitsharesにおけるアカウント(アドレス、口座番号)はマルチシグネチャの考えをもとに様々な柔軟な管理が可能となっています。
アカウントに複数人の出金権限を設定することが出来、各個人に「重み」をつけたり合意のための割合を自由に設定することが可能です(例えば、Aさんに49%、Bさんに25%、Cさんに25%、Dさんに15%、出金の合意には合計51%が必要と設定すると、Aさんともう一人、もしくはAさん以外の三人が合意すれば出金可能)。
任意のメッセージを送信することが可能です。長さは無制限ですが、サイズが大きくなるほど手数料が多くとられます。メッセージは毎回暗号化されるので、他人には見ることができませんが、アカウント内の残高のアドレス(公開鍵)とメモのアドレス(公開鍵)は分離されているため、メモの秘密鍵のみを公開することにより、メッセージを共有することも可能です。
最終更新日: 2016年04月02日
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