PC(Windows/MacOS/Linux)、スマホ(Android)に対応している軽量型多機能ウォレットです。Android版ではバージョン4.3.3現在日本語化されておらず一部使えない機能があるため、主としてはPC用のデスクトップウォレットと言えます。
マルチシグネチャウォレットを含む二段階認証ウォレット、オフライン環境で取引を行えるコールドストレージ機能、高速・低手数料のライトニングネットワークに対応するなど機能が豊富なのが特徴です。
ウォレットのインポート時には生成方法を詳細に指定できるため、すでに開発終了となったりして使えないウォレットからインポートするのにも便利です。
Electrumの公式サイトに行き、サイト右上の「Download」をクリックします。
各種OSに対応するクライアントのダウンロードリンクが表示されますので、好きなものをダウンロードしましょう。Windows版の場合、Standalone Executable(スタンドアローン版、非インストール版)、Windows Installer(インストール版)、Portable version(ポータブル版、非インストール版、ただし他のPCで同一のウォレットを使用するとセキュリティは低下するので注意)などがあります。
ダウンロード(+インストール)が終わったら、ファイルを実行しましょう。スタンドアローン版でもインストール版でも実行ファイル以外のウォレットファイルは同じ場所に配置されるので、どちらを選ぶかは好みで良いかと思います。ポータブル版は実行ファイルと同一フォルダにウォレットファイルが生成されます。
Electrumを最初に起動すると、ブロックチェーンを参照するサーバーの接続方法を選択する画面が表示されます。通常は自動接続を選べば問題ありません。
次にウォレット名を選択します。既存のウォレットがあれば選択すると開けます。初回起動時はまだウォレットを作成していないので必要があればウォレット名を変えてウォレットを新規作成しましょう。
次にウォレットの種類を選択するメニューが表示されます。
ここでは普通のウォレットを作成するため、一番上の「スタンダードウォレット」を選択し、「次へ」をクリックして次に進みましょう。
続いて新しくウォレットのシード(ウォレットを作成する元となるマスターキー)を作成するか、すでに作成済みのウォレットのシードをインポートするか、などの選択肢が表示されます。ここでは、新しく作成するため一番上の「新しいシードを作る」を選択しましょう。
次にウォレットのシード(seed)である12個の英単語が表示されます。シードはウォレットのマスターキーのようなもので、ウォレット内のすべてのアドレスと秘密鍵にアクセスでき、バックアップの役割も果たしています。非常に重要なものなので、紙にメモして他人に見られないように厳重に保管しておくなどしましょう。紛失してしまうと資産を失うことにつながるので注意してください。
次のインストール手順でも必要となるので、必ずこの画面でメモをとっておいてください。なお、「オプション」を選択すると好きなパスワードでさらにこのシードを暗号化しセキュリティを高めることもできますが、復元に暗号化のパスワードも必要となりシード単体では復元できなくなって紛失により資産を失うリスクも上がるため、十分考えて設定してください。
先ほど表示されたシードの入力を求められます。メモが間違えていないか、確認の意味で入力し、「次へ」をクリックしましょう。
続いてウォレットの暗号化を求められます。送金時などに必要となる任意のパスワードを設定し、「次へ」をクリックしましょう。なお、「ウォレットの暗号化」にチェックを入れると、送金時にパスワードが必要となるだけでなく、ウォレットファイル自体の暗号化もされて他人にウォレットの残高等を盗み見られるリスクを減らすことができます。外す意味は特にないのでそのままにしておきましょう。
これでインストールは完了です。初回起動時は更新の自動通知の有無を聞かれますが、通常はYesで受け取る設定にした方が良いでしょう。
後から上部メニューの「ツール」→「設定」→「その他」タブから設定を変更することも可能です。
ウォレットの作成が完了しました。すぐに使うこともできますが、必要に応じて初期設定をしていきましょう。
設定のほとんどは上部メニューの「ツール(Tools)」→「設定(Preferences)」から行います。
最新バージョンだと日本語化されているはずですが、もし英語のままの場合は設定(Preferences)の外観(Appearence)タブの言語(Language)をJapaneseに変えて再起動すると日本語化されます。
同メニュー内に表示されている「基本単位」はビットコインの表示通貨単位を指定するものです。デフォルトはmBTC(=0.001BTC)なので、わかりづらいと思う方はBTCに変更しておきましょう。
「通貨」タブでは、法定通貨をJPYに選択すると日本円換算の残高を表示させることも出来ます。ソースで価格のデータ元を設定できます。
初回起動時は「履歴」「送信」「請求」「Channels」の4タブだけが表示されています。上部メニューの「表示」から「アドレス」「コイン」「アドレス帳」「コンソール」の4タブを表示させることができます。
必要に応じて表示・非表示を切り替えられますが、タブ形式で特に表示させても邪魔にはなりませんし、特に「アドレス」タブはどのアドレスにどれぐらい保管しているかなどが見れるので便利です。
現在のビットコインには、大きく分けるとアドレスが1からはじまるlegacyアドレス(ウォレット)と、アドレスが3またはbc1qからはじまるsegwitアドレス(ウォレット)の2種類があります。segwitアドレスの方が新しい形式で、送金手数料が安く済むなどのメリットがある一方で、一部の取引所がbc1q~へのアドレスの出金に未だに対応していないなどのデメリットもあります(取引所への入金やウォレット間の送金は開発が止まっているもの以外は通常問題ありません。3からはじまるsegwitウォレットへの出金は可能です。)。
Electrumバージョン4.3.3現在、デフォルトでアドレスがbc1qからはじまるsegwitウォレットのみを作る設定になっているので、取引所から出金できないことがあります。このような場合は、legacyウォレットまたは3からはじまるsegwitウォレットや対応している取引所を経由してelectrumのbc1qのsegwitウォレットへ送金する必要があります。
※2021年11月にはbc1pからはじまるTaprootと呼ばれる第3のアドレスもさらにビットコインに実装されました。Electrumバージョン4.3.3時点では未対応ですが、今後の対応は明言されており、segwitアドレスと同様の問題が発生する可能性があるためご注意ください。
Electrumで、Legacyウォレットを作ることも可能です。「コンソール」タブに「make_seed(seed_type="standard")」と入力すると旧タイプのシードが生成され、表示されます。コンソールタブが表示されていない場合は上部メニューの「表示」から選択して表示させてください。
これをメモしておいてこのシードを元に「ファイル」→「新規・復元」から新しくウォレットを作成します。「スタンダードウォレット」→「既存のシードを使用する」を選択して先ほどのシードを入力します。入力画面で「シードタイプ:standard」となっていることを確認の上、次に進んでください。
ウォレット作成後、アドレスタブを確認すると1からはじまるレガシーウォレットであることがわかります。一応このまま使うことも出来ますが、あくまでも旧タイプのウォレットなので基本的にはビットコインの送金手数料の低いときを見計らって通常のsegwitウォレットに送金してそちらを使うことをおすすめします。
なお、この方法により次のページなどで解説しているレガシーのマルチシグネチャウォレット等を生成することも可能です。
※Electrumは3から始まるsegwitウォレットに基本的に対応していませんが、裏技的に利用することも可能です。Electrum以外の外部ツールを利用することや「BIP39」というElectrumとは別のシードのタイプを利用するため、今後のサポート終了の可能性もあり基本的にはおすすめしませんが、十分理解しているユーザーは過去のブログ記事を参照してください。
Electrumは、シード(他のウォレットソフトの12or24単語のリカバリーフレーズ、パスフレーズにあたる)さえバックアップしていれば復元可能です。ただし、シードを紛失すると復元できなくなるので十分注意して保管してください。
インストール時に保存しているとは思いますが、既存のウォレットのシードは、上部メニューの「ウォレット」→「シード」から確認できます。
Electrumがバージョンアップした際にはアップデートする必要があります。アップデートは、元のバージョンを上書きするだけで構いません。万が一新バージョンへのアップデートにより問題が発生しても、シードさえバックアップしておけば、前バージョンをインストールし直して使用することが可能です。
最終更新日: 2023年01月25日
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