ビットコインと所得税(2017年分)

※本ページは主に確定申告を行う個人の方向けに書かれています。また、あくまで考察であるため、個別の事案や正確な内容については所轄の税務署などにお問い合わせください。

ビットコイン(仮想通貨)の法的位置付け

ビットコインをはじめとする仮想通貨は、2016年6月公布の法改正により資金決済法(資金決済に関する法律)のなかで以下のとおり定義付けされました。

一 物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために 不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うこと ができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨 及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて 移転することができるもの

二 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって 、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

本法律は2017年4月1日から施行されています。

税法上の位置付け

上記のとおり、法律上の定義づけはなされたものの、本法律は利用者保護を主目的とする取引所業務の規制等が主であり、新たな税法や通達は未だに出されてはいません。

そのため、従来の税法をそのまま適用することが考えられ、実際に国税庁からは以下のような仮想通貨に係る税金について詳細な解説が公表されています。

ケース別の仮想通貨に対する課税

2017年12月1日に国税庁から公表された「仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)」のpdfでは様々なケース別の所得区分や計算方法が具体例を含めて解説されています。内容が非常に詳細なのでそちらを見ていただければ十分かと思いますが、以下に国税庁からの公表内容を簡単にまとめ、一部公表されていないケースを考察します。

仮想通貨の取引により得た利益(キャピタルゲイン)

最も多くの人が該当する場合だと思われます。評価益(含み益)への課税はなく売却した時点の利益(売却価額-取得価額)が課税対象となります。所得区分は雑所得(事業所得)となります。

仮想通貨の証拠金取引(FX)の場合であっても、申告分離課税等は適用されず、同様に雑所得の総合課税となります。


雑所得には控除額等は設けられておらず、原則として全額課税となります。ただし、年末調整を行っており確定申告を行う必要のない給与所得者については給与所得(+退職所得)以外の所得が20万円を下回る場合は、申告義務がありません。

逆に言えば、確定申告を行うすべての納税者は20万円以下であっても申告義務があり、20万円を超えると例外なくすべての人に申告義務が発生するので注意しましょう。

また、雑所得の金額は計算上生じた損失は、雑所得以外の所得と損益通算することはできません。

商品・サービスを仮想通貨払いで購入して得た利益

これは物々交換というかたちになります。支払時の仮想通貨の評価額が、仮想通貨入手時の時価を上回っている場合、その分の含み益(商品価額-仮想通貨の取得価額)が雑所得(事業所得)になります。

他の仮想通貨とのトレードによって得た利益

例えば、ビットコイン以外の仮想通貨(=アルトコイン)とのトレードを行う場合、他の仮想通貨を購入した時点で雑所得(事業所得)になります。

採掘により得た利益

ビットコインの採掘は現在では非常に困難ですが、その他の仮想通貨の採掘を行っている方はいるかもしれません。これは、採掘に成功し仮想通貨を取得した時点で利益(取得時点の時価-マイニングに要した必要経費)が雑所得(事業所得)として課税されます。

売却時点でも課税され、その場合の利益は売却価額-取得時点での時価となります。

仮想通貨の分裂(ハードフォーク)により得た利益

仮想通貨の分裂により新たなコインを入手した場合は、その新コインの売却時点で雑所得として課税されることとなります。ハードフォークの場合は発生時点では取引市場が存在していないため、取得価額は0円として計算します。

仮想通貨のエアードロップにより得た利益

以下のケースは国税庁から公表されていない考察内容です。詳細・正確な内容については税理士や管轄の税務署にご相談ください。

特定の仮想通貨を保有していることにより既存の他の仮想通貨が付与される、いわゆる「エアードロップ」の場合、付与された時点でその仮想通貨の取引市場が存在するため、付与時点で課税されるものと考えられます。

営利目的による仮想通貨の販売等により得た利益

取引所における取引と同様に、オークションサイト・通販サイト・対面販売等で仮想通貨の販売を行う場合は雑所得(事業所得)になると思われます。

商品・サービスを仮想通貨払いで販売して得た利益

同様に雑所得(事業所得)になると考えられます。

仮想通貨として得た給与

給与を現金ではなく仮想通貨などのモノとして受け取った場合は給与所得として課税されるものと考えられます。

ビットコインと消費税

平成29年(2017年)7月1日以後は仮想通貨の取引に係る消費税は非課税となりました。

まとめ

取引や採掘により得た利益の計算には仮想通貨の取得時の時価や経費などが重要になりますので、正確な申告をするためにはきちんと記録しておくことを心がけておきましょう。

本ページの内容には考察も含まれていますので、個別の事案については税務署や税理士の方などにご相談ください。

最終更新日: 2017年12月08日

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