テストネット(testnet)とはビットコインの本体のブロックチェーンとは別に運用・公開されている、テスト用のビットコインのブロックチェーンのことです。ビットコイン自体のテストや関連アプリケーションの開発・実験用など主に技術者向けに提供されていますが、テスト目的の一般ユーザーも含めて誰でも利用することができます。テストネットに対してビットコイン本体のことをメインネット(mainnet)と呼ぶこともあります。
ビットコインの黎明期とは違って、ビットコイン価格や送金手数料の高騰、その他取引所の法規制など気軽にビットコインを入手して試してみるのにはハードルが高くなっていますので、買うほどでもないけどユーザーとしてちょっと試してみたいという場合にもおすすめです。
テストネットはときどきブロックチェーンがリセットされており、2023年2月現在ではテストネット3と呼ばれるバージョン3が運用されています。
ビットコインのメインネットとは、アドレス形式が違う点ですぐに区別できます。メインネットは1、3、bc1などからアドレスの文字列が始まりますが、テストネットではm、n、t、2などからはじまるアドレス形式になっています。その他の仕様はメインネットと同じです。
このため、例えばテストネットのtBTC(テストネットのビットコインシンボル)をメインネットのアドレスに送ったり、メインネットのBTCをテストネットのアドレスに送ったりすることは、無効な取引と判断されて出来ません。
テストネットのtBTCは法定通貨との交換が一切できない価値のないものですので、気軽に試すことができますし税金などを気にする必要がない点で有用です。
ウォレット比較のページに掲載しているウォレットの一部がテストネットにも対応しています。Androidを持っているのであれば専用アプリが提供されているMyceliumまたはBitcoin Walletが最も手軽です。以下それぞれ設定方法などを簡単に列記します。
引数に「--testnet」を指定して起動すると、テストネットに接続できます。
※Windowsの場合はショートカットを作成してプロパティのショートカットタブから「リンク先」に引数をつけてからショートカットを起動すればテストネットに接続できます。
テストネットのブロックチェーンは、メインネットと比べるとかなり容量が小さいので、特に技術者の実験用としてはBitcoin Coreの選択が第一になるかもしれません。
引数に「-testnet」を指定して起動するか、設定ファイル(bitcoin.confなど)に「testnet=3」という行を追記するとテストネットに接続できます。※数字はテストネットのバージョン番号
なおBitcoin Coreでは、「-regtest」と指定して起動するか、設定ファイルに「regtest=1」と追記すると、好きな時にブロックを生成できるローカル環境の自分独自のブロックチェーンを立ち上げることも出来ます。
起動画面の「アプリ設定」を選択して表示される設定画面で「Testnetを有効化する」にチェックを入れます。その後新規ウォレットを作成してネットワークを選ぶ際に「他のネットワーク」からテストネットを選べるようになります。
テストネット専用のアプリが提供されています。
テストネット専用のアプリが提供されています。
テストネットでも個人のPCでマイニングするのは難しくなっていますので、フォーセット(faucet、蛇口)と呼ばれる、数時間に1回無料でtBTCを配っている以下のサイトを使うのが一般的です。なおこれらのサイトは頻繁にリンク切れになったり、使えなくなったりする場合があるのでご注意ください。正しく動作しない場合は他のサイトをまず試してみてください。
あくまでも実験用で価値のないものなのでもらったtBTCはどのように扱っても自由ですが、フォーセットは善意で運用されているもので配布量に限界もあるので、使い終わったtBTCが余っていたら元のフォーセットの返却用アドレスに返しておくと良いでしょう。
※マイニングのテストをしたいなら、他のビットコインクローンのアルトコインのテストネットや人気のないアルトコインを試すのがおすすめです。
ブロックエクスプローラとは、ブロックチェーンのブロックや送金の状況を見れるサイトのことです。
最終更新日: 2023年02月18日
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